ラヴなステーショナリー その2
恋月 ぴの

あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わたしってプリンシパルだったかな
裂けそうなくらい開いたプリエから
くるりと描いた円周率は
3.151673980
数え切れないはずだった
無間地獄と
果てしなく続くはずだったのに
恋煩いはこれっきりとなってしまって
中途半端な5番のポーズは
しりつぼみの恋占い
ほどけたトゥシューズのリボンに
忘れられないあなたを想い
月明かりさえも届かない引出しの奥
ひたすらあなたの指を待つ


自由詩 ラヴなステーショナリー その2 Copyright 恋月 ぴの 2006-09-18 23:25:50
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