寝転がった標識
海月

そうだ、そうなんだ。

納得していなくても頷くんだ
反抗期は大分前に過ぎたから
手より先に頭が動く
冷静に分析する事は決して悪い事じゃないけどね
時折、悲しくもなったりする

黄色の傘を最近は差さないなぁ
小学生の頃は支流だったのに
今の僕はビニール傘になっている
周りを見ていないと不安なんだ
自分に対する評価を知っておかないと
だけど、その事を知る事も怖いんだ
期待に応えられるかどうか・・・

大きすぎる評価や小さすぎる評価
どちらにせよ
僕の気持ちはいつもやり場がない
僕の気持ちは誰も知らない

だから、そんな事が云えるんだろ?
なぁ、なんとか言ってくれよ

踏み潰した名もなき花
黄色で小さく揺れる花
圧し折られたのは自分自身の鼻
態度や自信は見事に砕かれた

同い年に敬語を使う
同い年に罵られる
肩書きが少し違うだけなのにさ
なんて愚痴を零すのは僕らの役目で
それを笑い話にするのは上の役目だ

やっぱ、僕は僕でしかない
アンタが思う程に動けないよ
余生は田舎で静かに暮らすつもりだ
アンタにそれすらも奪う権利はない
人から奪ったアイデアはさぞかし気持ちいいもんだろ?

誰かの歩く為の棒になるのは止めたんだ
そんなら標識にでもなってやろう
疲れたらその辺に転がっているから
気づいたら声ぐらい掛けてくれないか?
そうしたらまた仕事をするさ
今の僕は寝転がった標識さ


自由詩 寝転がった標識 Copyright 海月 2006-09-18 23:14:15
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