恋文 〜Tom Waits を聞きながら〜
服部 剛
パソコンが
空っぽの箱に見えてしまったら
部屋の明かりを消して
Tom Waits の「GRAPEFRUIT MOON」を流そう
グラスに入れたぶどう酒を
喉
(
のど
)
に流せば
果て無き真白い画面はやがて夜となり
黄色い月が浮かぶだろう
夜風に
詩
(
うた
)
う巨木の下で
独り立つ美しい
女
(
ひと
)
が
こちらに瞳を向ける瞬間を
頬を赤らめ待っている
酔いどれの弾き語るピアノと
嗄
(
しゃが
)
れた唄声を聞きながら
未詩・独白
恋文 〜Tom Waits を聞きながら〜
Copyright
服部 剛
2006-09-17 21:42:33