走り方を忘れた子どもたち
ぽえむ君

いつしか子どもたちは
走り方を忘れていった
いつしか大人たちも
走らせ方を忘れていった

走ることの大切さよりも
走ることの危険さが
叫ばれるようになった
走ることによって
強くなっていくことよりも
走ることによる苦労を
苦痛と感じるようになった

みんなでゆっくり歩こう
いや
進まなくてもいいんだよ
子どもも大人も
それが当然のようになった

いつしか誰も走らなくなった
誰もが一位であり
誰もがビリになった

そして
いつしか誰もが
退化という道を走っていることを
忘れていった


自由詩 走り方を忘れた子どもたち Copyright ぽえむ君 2006-09-17 07:18:44
notebook Home 戻る