孤独な羊
アサリナ

隣の空から降ってくる
それをわたしは見ていたよ

苦しくて眠れないのか
眠れなくて苦しいのか
孤独な人は羊を愛して

柵を越えて
すぐに行ってしまう
次々に飛び越えて
風に乗って
砂のように
翼の生えた羊

双眼鏡から覗いていた

隣の空から降ってくる
それをわたしは見ていたよ

苦しくて眠れないのか
眠れなくて苦しいのか
ゲームは朝まで続くから

振り返ってにやっとした羊
あれは昔の恋だった
背中に血がついてると
言われた気がして下を向く
腕を噛まれるのには慣れていた

工事現場でうずくまる
ピアノの下で小さくなる
点滅の青に気がついて
立ち止まってしまった
羊の群れ

苦しいのか
眠れないのか
孤独な人は目を閉じた

夜に勝ったと笑っていた
それをわたしは見ていたよ



自由詩 孤独な羊 Copyright アサリナ 2006-09-16 13:52:24
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