言葉で 、愛を
もこもこわたあめ
道端にぽつんとひとつ
夕日色のビー球ひとつ
落ちていた
別に何の変哲もないのだけど 体はなぜか引き寄せられて
心はその傷ついた透明の球体に吸い込まれる
ビー球なのか何なのか丸っぽいその空間は
暖かくてこそばゆくて
気持ちいい
しばらくたったと思う頃 少し気持ち悪いような感を覚えて
空間にふわふわ浮かぶ体を何とかして固定しようと試みる
居心地も気持ちよいその空間は
やたらと浮遊感が強くて落ち着かない
繋がっていたい
どこかに固定しようと試みたけど 全然そんな気配もなくて
あたりを見回しても杭も何もないからあきらめた
こういうのもまあいいか
「・・・・」
「・・・・・?」
ここは部屋?
見回すとそこには浮遊感も何もなくて 白壁とひとつのベッド
状況をつかもうと曖昧な頭をフル回転させる
ベッドには僕ともう一人
「・・・・!」
「大好きだよ。愛してる」
もう一人、彼女は僕に微笑みかけて僕は微笑みで返す
幸せな空間 気持ちいい浮遊感と君という大事な杭と繋がることができた
求めあう心と体いつまでも永久に
愛する君と僕のために
(注釈:「・・・・」は会話内容をあらわします)