★41 オモイデノミズウミ
貴水 水海

僕の思い出の地

もう湖面は凍っているよ

君と来た夏は

あんなに賑わっていたのに

人は恋をすると

臆病になる

何でも

恋に結び付けてしまう

僕もそうだった

命さえ君に捧げてもいいと

誰にも負けないくらい

君が好きだと思えた

だから

サヨナラを受け入れることができた

その恋を

氷の下に閉じ込めるために

僕はここに来た

湖面は凍っているよ

ここに

僕は終わった恋を沈めるよ

氷が解けても

終わった恋は

永遠に湖に抱かれたままだよ


自由詩 ★41 オモイデノミズウミ Copyright 貴水 水海 2004-03-11 17:18:40
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