顔 その2
恋月 ぴの

家族


焼け跡から一枚の写真
楽しかったあの頃
親を殺した顔が笑っていた
子を殴り続けた顔が笑っていた






ひとのこころ


クルマに顔があるように
ひとのこころにも


顔があった






ルオー


力強い生命の輪郭線で
色鮮やかな表情に閉じ込めたもの
それは神への祈り
許されぬ罪を許したまえ
彷徨えるこころを導きたまえ

ステンドグラスの瞬きよ
青は天空の色
赤は大地の色


自由詩 顔 その2 Copyright 恋月 ぴの 2006-09-14 21:22:37
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日記のようなことばたち