透明の光
日朗歩野

1

ドングリが遠い目をして
冬の正解(こたえ)を探している

もうすぐ大きな冬の翼が
やってくる
僕は森によばれる
いかなくちゃ

山猫の親分は
ピリピリしながらも
やさしい

なにか手伝いたいけど
なにも出来ない


2

大きな大きな冬の翼が
森をつきぬけ
息を新しくする

ウサギ達の失われない目の輝きは
あまりに素朴な強さで
冬を見つめる
(やがてくる春ではなくて)

ドングリが静かに
芽を出す準備をしている
もう正解(こたえ)なんて探してはいない

3

透明な光は
冬にこそ生まれるのだ
強く透き通った
透明の光



自由詩 透明の光 Copyright 日朗歩野 2006-09-14 21:17:14
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