*魂、魂、降って来よ*
かおる


遅れてきた夏があおい空をひらく
零していったのは熱量と蝉の声だけじゃなく
あの時から又一年が積み重なって
封印してきた気持ちが崩れていく
月日が過ぎても消えない物ってあるんだね
いつか、風化してしまうのがベストだけれど
刻み込まれた想いは
余分な物まで巻き込んで倍増されていくのも確かで
夜を割くように雷に紛れて降って来た
引き延ばされた夏空が流したのは雨ではなく
あのとき引き裂かれてしまった時間と魂の叫びだったのかな
爆弾にされちゃった四つの飛行機と小さな街一個分の爪痕
夢じゃないから覚めやしないけど会いたいんだよ


自由詩 *魂、魂、降って来よ* Copyright かおる 2006-09-11 20:20:31
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