波は知っている       
さくらほ

遠く遠くから満々とやってくる波は
飽きることを知らぬ
続く続くその暗い顔をした波は
引くことを知っている

夏の終わりに
交わした約束は
通り雨が流していく

この手に確かにあった
ぬれた砂の感触と温かなぬくもり
水平線の向こう



自由詩 波は知っている        Copyright さくらほ 2006-09-11 20:04:15
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