秘密基地
________






今夜
熱を吸い取った風がするりと逃げていくね
もうすぐやわらかくて軽い布が
肌を覆い隠す季節

そうして、君のためだけに体を磨くよ
そうして、こっそりと見つかってしまった秘密基地になるよ

今夜
夏をなかったことにするような
夢の終わり
風が逃げていく
わたしは、追いかけない、悲しくない、
鼻の頭をくっつけて笑いあうような
小さな小さな世界で

君にだけ見せる
夏を生き延びた安堵






自由詩 秘密基地 Copyright ________ 2006-09-09 03:25:22
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
四文字熟語