ことば
恋月 ぴの

ことばならなんとでも言える
「よく晴れているから…」
そのことばに
あなたは安心したような気配を残し
携帯電話をそっと切る
(雨降りなのさ、ほんとはね
幸せだったひと時は何も言わずに遠のいて
重たっくるしい雨雲の下
ご機嫌斜めのわたしがいて
ぷっと思い切り膨らませたほっぺたを
笑顔でかまって欲しいだけ
ことばならなんとでも言える
「あなたのことを愛しているよ…」
遠く離れてしまったあなたのことを
本気で愛していたのかな
輝いていたはずの太陽でさえ 今は
重たっくるしい雨雲に隠れてしまって
ことばってほんと我ままだよね
「いますぐにでも逢いたいな」
逢えないことは判ってはいても
ちぎれ千切れの思い出と
さよならばかりのラブソング
ことばって嘘つきで
ことばって我がまますぎて
探しても
探しても
見つからないもの探していたい
思い出ぽろぽろ泣いてるよ



自由詩 ことば Copyright 恋月 ぴの 2006-09-08 22:07:08
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優しさを忘れないように