めん
たもつ

脚を折りたたんだ正座で
あなたはラーメンを提出し
わたしがお品書きのとおりに
並べていく
合間合間に広がっていくものが
チャーシューの色や野菜に似ていて
わたしたちの中心なのだと気づく
それでわからないことのほとんどは
解決したのだけれど
傘の心配の話をすると
水より重いものなどないよ
そう言って
あなたは微笑んでくれた
あなたがわたしの名前を覚えてから
忘れるまで数年かかった
どうしても人だから
生きたまま寝違える日もある
そうしているうちにも
わたしはまた
細めんを頼んでしまう





自由詩 めん Copyright たもつ 2006-09-08 20:17:40
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