今夜、輝くものは遠く
たりぽん(大理 奔)


輝くものはいつも
はるか遠くに置かれる
届かないとわかっていても
暗闇の中で
求めてしまう
温もりのない光とわかっていても
そこで燃えているものを知っている
そして永遠を誓ったりするのだ
僕たちは
いくつかの空のにじみを結んで
物語を口ずさんだりもするけど
始まりも終わりもないから
それを永遠と誤解してしまう
炭素のように不滅で
アルゴンのようにまぶしく
どれもが現象だと
さめた学者のように呟いても
そこで燃えているものを知っている

だからせめて
せめて、今日、この夜だけは
永遠を誓うのではなく
約束を永遠にしようじゃないか



自由詩 今夜、輝くものは遠く Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-09-07 23:45:14
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