★39 ボクノヨゾラ
貴水 水海

あの日
僕の夜空は燃えた

僕は君を許せず
君も僕を許せず

裏切りと涙の
炎が燃え立った

僕は酒も飲むし煙草も吸うけれど

憎悪に近い炎を
一杯の酒で流せるはずはないよ

ほんの少しくすぶっている心を
一本の煙草で満たせるはずはないよ

僕は後悔という箱と
思い出という箱は
開けたくなかったけど
また開けてしまったよ

一杯の酒で忘れられることなんか
ありはしない

一本の煙とともに消える事実なんか
ありはしない

そうして僕はまた
夜空を見上げる

今日の空は何もないよ
 
悲しいくらい

何もない



自由詩 ★39 ボクノヨゾラ Copyright 貴水 水海 2004-03-10 00:43:36
notebook Home 戻る