明日の窓
霜天

間違えることが、終わって
拍手がいつまでも続いている
始まりと終わりが気になるのは
それだけが手触りを残していくから

雨に濡れた窓が
鉄塔に光る赤い昨日を反射している
さよならを言えない
音は遠くへ吸い込まれて


眠り続けた昨夜が
遥かな物語を聞くように
薄い煙の中を行く、道の
頼りなさで揺らめいている
窓を開ければ手を放す
落ちていくものは戻れないのに
ただ上を向いている
まだ、上を向いている


明日になれば

間違えることが、終わって
拍手がいつまでも続いていく
差し伸べられた手を、掴めば
それよりも遠くなる自分が、いる


明日になれば
さよならも言えない
それだけは手触りを残していくから


自由詩 明日の窓 Copyright 霜天 2006-09-07 01:12:31
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