タイムレス
green ink

橋の欄干に彫った文字が消えかけている
この川は海につながっているから
流してしまったのだろう

メッセージはやがて雨になって降ってくる
その雨を避けるようにして
僕は家に帰ろうとする
幸せだった時の事だけを考えようとしながら

足を滑らせて
川の中に僕が落ちる
僕は水の中で死に
僕の命だけが
海へと帰っていく

それは水に溶けていき
魚たちを炎のように包みながら
感触だけが残る


自由詩 タイムレス Copyright green ink 2006-09-06 06:12:19
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