夜行列車 
服部 剛

午前一時二十分 
列車の連結部近くの狭い一角 
床に腰を下ろした青年は 
震えるドアに凭れて眠る 

( 手すりにを引っ掛けて
( 吊り下がるビニール傘の振り子 

真夜中の中央本線 
加速する列車に揺られるごとに
時計の長針と短針は減速する

背後に遠のいてく 
忙しさに時計が狂った都会の日常と 
無数に光るビル群のプラネタリュウム 

青年の胸に宿る 
故郷ふるさとの夢を乗せて 
夜行列車は信濃へ走る 





未詩・独白 夜行列車  Copyright 服部 剛 2006-09-05 00:27:55
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