金魚の時間(二日目)
愛心

私は夢月の家に
棲むことになりました

夢月の親は
共働きでほとんど家におらず
独り暮らしの状態でした

ちなみに私の棲んでいたのは
『水槽』というもので
今では空っぽで
綺麗な水だけが入っていました

私が水槽を見ていると
夢月が聞きました
「紅香・・・で良いかな?
 今日ちょっと買い物行かねえ?
 欲しい物があるんだけど・・・・」
私は、笑顔で答えました
「いいよ!買い物ってしてみたい!
 夢月の欲しい物知りたいし」
「してみたい・・・?買い物をか?」
「やっ・・じゃなくてね
 夢月と行きたいなぁっていう意味」

夢月はなぜか顔を真っ赤にして
素っ気無く言いました
「ちゃ!ちゃっちゃっと用意しろよ」
私がびくっと退くと
夢月は私の頭をなでながら言いました
「あっごめんな
 ただちょっと嬉しくてさ
 とっとにかく用意しろよ」
夢月は私がうなずくと
にこっと笑って自分の部屋に行きました

「さっき『ちょっと嬉しかった』
 って言った・・・・よね」
私は嬉しくて顔がにやけました
「用意しろよー」
夢月の声に
はーいっと返事をすると
私も自分の部屋に行きました

水槽の水が太陽の光で
光りました



自由詩 金魚の時間(二日目) Copyright 愛心 2006-08-30 13:47:20
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