月音

 ぬるり とした
 裏切りの手触りが
 みぞおちのあたりをえぐるので

 夕方に食べた くりぃむパンを
 仕方なしに
 吐く

 かつえて にべもなく 求めつづけられる程には
 もう わたしは
 「よのなか」に 委ねられぬのだ

 削り 衰えて

 もう
 飲みのめぬのだ
 その ことわりが

 体ばかりを ひらいて

 いつか その 飲み込めぬものに
 飲み込まれる こと

 連鎖とは そのような形



未詩・独白Copyright 月音 2006-08-29 23:15:31
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