夢を見る
未有花

時々鮮やかな夢を見る
誰かが微笑む夢を見る

白いテーブルの向こう側に
時がさらさらと流れてく
それは風のように足元を流れ
微笑む人へと続いている

時々せつない夢を見る
誰かを愛する夢を見る

青い三日月のささやくとき
愛がゆらゆらと溶けてゆく
まるで生まれる前からそこにいて
愛する人を待っていたの

やさしさはガラスのなか
閉じ込められて出られない
蒼く悲しそうに泣かないで
私には出してあげる力がない

時々なつかしい夢を見る
誰かのやさしい夢を見る

赤い花びらの香りを乗せ
風がきらきらとそよいでく
いつかこんなふうに風に吹かれ
やさしい人といた気がする


自由詩 夢を見る Copyright 未有花 2006-08-28 13:33:57
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