夢を見る
未有花
時々鮮やかな夢を見る
誰かが微笑む夢を見る
白いテーブルの向こう側に
時がさらさらと流れてく
それは風のように足元を流れ
微笑む人へと続いている
時々せつない夢を見る
誰かを愛する夢を見る
青い三日月のささやくとき
愛がゆらゆらと溶けてゆく
まるで生まれる前からそこにいて
愛する人を待っていたの
やさしさはガラスのなか
閉じ込められて出られない
蒼く悲しそうに泣かないで
私には出してあげる力がない
時々なつかしい夢を見る
誰かのやさしい夢を見る
赤い花びらの香りを乗せ
風がきらきらとそよいでく
いつかこんなふうに風に吹かれ
やさしい人といた気がする