北極星は北に見える
プル式
ありふれた背中には
きっとそれぞれの想いがある
流れ出した世界の中で
あの頃の事を考える
夏のラジオを聴いて
気が狂いそうに
泣いて叫んだその後に
山の葉が赤くなる頃
何を求めて生きたのだろう
愚かな夢を見たのだろうか
幸せな想像が出来たのだろうか
時代を渡るには余りにも小さな舟は
もうすぐ最後の一舟になるだろうか
僕らはその船乗りが作った
大きな船の中で生まれたから
漕ぎ出す術を知らない
船乗りはもう港に帰った
僕らは自分で漕ぎ出さなければならない
僕らに幸せという物が分かるのだろうか
生きる意味さえ分からない僕らに
ありふれた背中には
きっとそれぞれの想いがある
流れ出した世界の中で
僕らは舟を漕がなければならない