駅・秋葉原
たりぽん(大理 奔)


改札を抜けるように明日が来るのです
明日が毎日、未来であると信じるひとたちが
道端にこぼれてこびりついたジュースまみれの
自分の影を踏んでいるのです

カタチあるものだけに価値があるかのようです
誰もが信じて疑わないと、信じて疑わないから
私の疑問符は安売りのネタにされて
本当のしあわせは道端にこぼれるのです

毎日が今日だとも感じない人たちが
緑や黄色につめこまれて交差します
今日と今日が交差するところで
安物の自分の影を踏んでいるのです

懐かしい絶望が安売りされているのです
誰かの仕掛けた罠に未来を信じられるひとたちが
道端にこぼれてこびりつく自分の影を
置き去りにして今日もまた

ひからびた亡者につばを吐きかけるように



自由詩 駅・秋葉原 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-08-26 14:43:59
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