ソネット(弔い)
和泉 輪

いま全てを弔うために
一つの歌が降りてくる
それは風にのって柔らかく
全ては安心して死んで良い


そして私は一粒の悲しみを
小さな微笑と淡い幸せとを
火にかけて燃やすだろう
遺されていった骸と共に


振り返ることなく逝くがいい
木の葉が散っていくように
苦しむことなく死んでゆけ


あの雲が消えていくように?
此処から立ち昇る煙を歩き
ああ 全ての私達は清く逝け


自由詩 ソネット(弔い) Copyright 和泉 輪 2004-03-07 04:03:09
notebook Home 戻る  過去 未来