扉を開けたら昨日の自分がいた
ぽえむ君

仕事から家に帰宅して
「ただいま」
と言ったら
「おかえり」
と昨日の自分が出てきた

相手の自分はいたって冷静
ものすごく驚いている自分だが
自分が落ち着いているので
自分も平静さを自分に見せる

「他には誰もいないの?」
「うん」
「そっか」

なにせ相手は自分だから
別に会話をしなくても
言いたいことは何となくわかる

どうやら自分は食事を済ませたらしい
自分はまだ食事をしていないので
とりあえず
冷蔵庫の中のものを適当に出して食べた

何も会話がない
というよりも
自分は自分が食事をしている間に
寝てしまったようだ
なんとなく自分も眠くなり
寝る場所が自分に占領されたので
ソファーで寝ることにした

次の朝
いつものように出勤しようと
車に乗ろうとしたら
すでに車がない

どうやらおとといの自分が
出勤したらしい

会社に自分が二人いるのもおかしいので
家にいることにした

きっと自分のことだから
昨日の自分を知らない
おとといの自分が会社に行っても
何のトラブルもなく無難な一日になるのだろう


自由詩 扉を開けたら昨日の自分がいた Copyright ぽえむ君 2006-08-25 21:30:51
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