*4000億の星の群れ*
かおる



夜空の道路状況はいつだって
盆暮れ並みの渋滞中で
高速通信は歩いている人に追い越されていく始末
こんな感じじゃ
にっちもさっちもどうにも
はかばかしくないのは見え見えで
さっきまでの話が目の前の相手に通じるのに
地球を7回半廻ってこなくちゃだめで
ちょっと3回廻った辺りで
退屈を持て余して見つけた牛に引かれて
善光寺でお参りでもなんて思ってしまうと
話自体が空転してしまうのも頷ける
あという文字がきちんとあという音で
伝わっていく不思議を
リオデジャネイロからの国際電話で再確認しても
単身赴任した夫に愛人ができちゃうのは
空転してしまったさっきの話位
自明の理であるのかもしれない
そう、言葉がしかつめらしく正しく伝わっても
感情はいつも置いてきぼりを喰っていて
ニュージーランドの羊の群れの密度に紛れ込んでも
ちゃんと狼を見つけてしまった羊飼い位有能らしい
孤独はいつまでもたっても飼いならす事もできず
恐竜程の大きさにするのは容易い
65億の一人一人の孤独を夜空に散りばめても
星の数には遠く及ばないようで
降ってきそうな満天な星空を眺めると
ひとりぼっちの気分も癒されるのかな
4000億もの群れたがる星がいても
一匹狼でいたがる星だっているはずで
遠くぽつねんとある星を見つけたら
同類相哀れむ感じがでるのかもしれない


自由詩 *4000億の星の群れ* Copyright かおる 2006-08-25 09:09:34
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