見ているようで見ていない
ぽえむ君

すべての事実を見たとしても
見ているようで何も見ていない

それは単なる感覚器官の一つが
脳に伝達したという事実に過ぎない

すべてのことを理解したとしても
理解しているようで何も理解していない

それは単なる現象を認識したというだけで
その奥にある秘めた本質を
見抜いたわけではない

真実は見えている奥に
僅かばかりの形で
見えることなく存在し
それは美でもある

美に触れてこそ
見えないものが見えてくる
美を感じてこそ
理解できないものを理解する

一生の中で
どれだけの美に触れられるのだろう
どれだけの美を感じることができるのだろう

多い少ないが問題ではなく
ほんの一度であっても
その人生は豊かであり
幸福でもある


自由詩 見ているようで見ていない Copyright ぽえむ君 2006-08-24 20:58:00
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