不規則な規則
ぽえむ君

コンクリートの壁は
滑らか過ぎるくらい滑らかで
虚無が手を通して
伝わってくる

その平らな壁は
計算に計算を重ねた
蓄積そのものだった
自然への抵抗

しかしそれは同時に
自然への逃避でもあった

人工は自然のように
規則正しく
不規則を創ることができない

人工は不規則を放棄し
規則だけを慢心する

温もりや優しさ
冷たさや厳しさもなく
あるのは強靭な規則しかない

コンクリートの壁の前に
不釣合いな異国の花が運ばれて
その根元に
花の名札が挿し込まれた


自由詩 不規則な規則 Copyright ぽえむ君 2006-08-24 07:24:53
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