非眠症
船田 仰


湯水のようにつかってやれよ
せめてものつぐないさ ときみは意味がわからないままで
ふくれあがるレシートの束をおぼつかない足取りで
たどっては
たどっては



街や贋物の街や本物の街や
その他いろんなところでみかけるひとたちに
おもいしらせてやりたい
あんたよりあたしはそうさきっとあたしはちっこい
そんなことあんたにおもいしらされたくないって


あ?あー
あーボタンかけちがえてたわー恥ずかしいー
いちばんうえは二番目になれるわけもないーよねー


睡眠に緊張などというツールが
ほんのすこしわりこんでくる
あたし息してる
小さいころに行ったみずうみのそばの旅館で
つめたい廊下が好きだったの と
まだ意味がわからないままで
きみの爪のかたちだけみつめて
あたふたさせてほしいんだって
ねえ意味分かる?
ねえそれですっかり様子知れた?
子供たちのこと思った?
あたしってこわいのかなあ
もううつくしくないのかなあ
呼べばとんでくる?
にっこりして君とんでくるかなあ


うそきらい?うそすき。きらいなの?すきじゃない。





せいいっぱいあたしにっこりしてるんだよ
君あたしの色わかる?
ねえそれですっかり様子知れて、吐いて、
冷たくなった?
あ?あー
CDリピートするの忘れてたー



もう終わるよ
きっとそんなふうにハッピーになるよ
ねえねえなれるって思う?そう思う?

ああ!もう終わるよ!



自由詩 非眠症 Copyright 船田 仰 2004-03-06 21:38:45
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