ときどき
AB(なかほど)

空を眺めてると
涙が出そう
 って君は嘘をつく
ときどき
そういう意味のない嘘が
心地よくてしかたがない
今日も
暑い一日
蜩は
まだ鳴かない
相変わらず僕は間が悪く
グラウンドの向こうの入道雲と
日焼けした顔
空に消えてゆく声に
君よりも先に
うつむいてしまう
そんなとき君はときどき
意味もなく足をぶらぶら
としてくれる

いろんなニュースを聞く
いろんな中継映像を見る
忘れてはいけないことや
今すぐ自分の心に問いかけなければいけないこと
がある
そのために歩きださなければいけないこと
がある
そんな日でも
君はときどき
なんの意味もない嘘をついて
僕は
こんなにも穏やかに過ごしている

今日も暑い一日
僕は世界のニュースよりも
まだ鳴かない蜩の声を待っている
その声をあのニュースの人にも
聞かせたいね
なんて
相変わらず僕は間が悪く
君は足をぶらぶらとしている


自由詩 ときどき Copyright AB(なかほど) 2006-08-21 20:40:38
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