ラヴなステーショナリー その1
恋月 ぴの

きれいに消し去って欲しい
あなたの腕で
わたし自身では消せなかった
こころのなかに棲みついたもの
胸騒ぎのようなもの
きっと消せる あなたなら
その腕でわたしを抱き上げて
森の奥深く連れて行って
そして
恥じらいに頬染める
オーロラ姫でもあやすように
あなたは優しい腕まくら
ふたり唇を重ね数を数えだして
いくつまで
ここのつまで数えたら
気になってしまう
つるんとした滑らかさ
つまんで鼻の穴になんか近づけて
きゅんと匂い嗅いでみたら
消しゴムみたいな
あなたの腕は
初恋の懐かしい匂いがして
消しカスを
そっとティッシュに包んで捨てる


自由詩 ラヴなステーショナリー その1 Copyright 恋月 ぴの 2006-08-18 06:22:57
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