灰殻散歩
本木はじめ



もう誰も修復できぬ美しい傷痕だけが星空のごと



カラフルな性の模様にいろどられ少年少女の白は泡立つ



いつまでも高原鉄道錆び付いたままの列車を包む真緑



沢登りしている子供、蝶、魚、グリーンアスパラガスの否ブルー



猫だけが足長おじさん知っていておじさんだけが知らぬ猫の名



悪意なき緋色の海の描かれて幼稚園児の翼の白さ



いなければならぬだなんていうこともないんだ黒い薔薇の咲く朝






短歌 灰殻散歩 Copyright 本木はじめ 2006-08-17 20:59:57
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