ばんかのはごろも
ひより

その朝 北の窓辺のカーテンは ゆっくりと
大きな呼吸した

潮の香りは
「訪ねよ さすれば 息つく夜を捧げよう」
鳴く鳥に委ねた

わたしは
一日中 呼吸していた

呼吸する潮の香り
うみねこな
夢みる大きな翼
大地は
その夜わずかに熱を奪われた

暑さ寒さも
呼吸する きみに 魅せられて

晩夏の羽衣 身に纏い



自由詩 ばんかのはごろも Copyright  ひより 2006-08-15 08:02:11
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