八月
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俺がROCKから教えてもらったのは
俺が詩人から教えてもらったのは
自分のことを喋れっていうこと
世界について話すのはその次だ
そうやってみんながみんな自分のことを喋り出して
世界はいろんな方向へ飛び出し
誰とも会えなくなった

道を歩いていた
夏の道を歩いていた
そんな記憶だけが自分の全てだと思いたかった

俺が他人に言いたいことは
世界は平等ではないし
みんな自分の為に生きている
少なくとも自分はそうだと認識したうえで生きていたい
優しさは後から付いて来ない
いつでも上空でさ迷っている

誰かが
誰かはわからないが
世界は平等だって
誰が言ったのかはわからないが
俺達はそう信じ込まされてきた
夏もROCKも全て気のせいだ

本なんか読まなかった
ただ俺はずっと流れだけを見ていた
それだけで世界がわかった

そして多くを見落として
これからも見落とし続けるだろう

夏に
安易な夏に
どこへも行かない


自由詩 八月 Copyright span 2006-08-15 05:04:28
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