東京番外地
プル式

散々泣いた夏の雲は美しくたち
もうじき夕暮れの風鈴の音色は
甘くて遠い気がして

少し懐かしい思い出は記憶からこぼれだし
涙色の青空に蝉の賑わいは
必ずしも必要ないのかも知れない

狂いだした左目の世界と
しがみつく右目の後悔
色のない部屋に悲しみの臨界が来る

恐ろしくても踏み出さなければいけないよ
昇った階段は降りられないのだから
自分の足で後一歩踏み出せば
世界は消えて足元には何もない

翼をください
自由に飛べる大空をください
両手をください
しがみつかせてください
強がれるだけの力をください
声をください

白い波が綺麗でしょう
まるでレースの刺繍の様でしょう

今日の珈琲は苦いでしょう
二回目の手を伸ばせなくて


自由詩 東京番外地 Copyright プル式 2006-08-11 09:19:42
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恋の歌