哲学
ウデラコウ

あたしが とんでもない壁にブチ当たって。
どうにもこうにも この世の終わりのような 顔をしているといつも。

あなたはまるでさぞ おバカさんだとでも言うように
ケラケラと笑って

「そんなコトで酷い顔をしていたのか」

と云う

そんなコト。なんて安っぽい形容で片付けられてしまった
あたしの とんでもなく複雑な哲学は大変にご立腹して

「これのドコがそんな簡単なのよ」

と、あなたに向かって、全力で噛み付こうとする

それをスラリと交わしてあなたは云うの。

「だって、そんなコトに答えなぞあるわけないじゃないか」

そして、噛み付こうとしたあたしの 大事な大事な哲学を
片手で掴んで どこかあたしの見えないトコへと放り投げてしまうの。

そうすると この世の終わりのような哲学と共に奈落へ沈もうとしていたあたしの心はみるみる軽くなって

あなたのケラケラという笑い声が とても心地よく感じられるようになるの。

またきっと。この世の終わりを告げる哲学は
きっとあたしの前に立ちはだかるわ。
そして、きっと同じように あたしはそれと一緒に 沈もうと思うわ

でも

そうしたら思い出すの。
あなたの言葉を。
きっと気付けるはずだから。

「この世の終わりを告げる哲学」は答えのない
ただの言い訳だと 負け惜しみだと。 だから

答えなど一行に見つからないのだと。

本当の哲学は必ず、 乱れに乱れた 糸の中に 1つ
金色の絹がまざっているのだと。



自由詩 哲学 Copyright ウデラコウ 2006-08-11 01:48:27
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