都市銀河に墜ちる星
相馬四弦

闇に灼けた丘の上から見下ろしていた

都市銀河が燃えてゆく

尽く

熱に凪ぐ雑草が足元を切りつけて

素足にさくりと 生傷ができる

寝起きで目をこすっている妹が

泣き出したりしないか不安だった

高層ビルから飛び散る魂の閃光が

ほほを照らすと少しかゆい

しがみついてきた妹を肩車して一緒に空を見上げる

そろそろこの丘も

炎に囲まれてしまっただろう

最後に星を見ておきたかった

どんな英知よりも濃い煙が

ふたりを隔ててしまう前に


自由詩 都市銀河に墜ちる星 Copyright 相馬四弦 2006-08-10 09:37:06
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