美風(ちゅらかじ)
佐野権太
腹に響くエイサーの
どごん どごん
飛び跳ねる常夏リズム
どどごん、かつ、かつ
手踊りが咲き
歯は白く輝き
乾いた三線の音が走り出す
空を切り裂く指笛の
ぴゆぃ ぴゆぃ
あどけない翼の描く
ぴゆぃゆぃゆぃ
ひとが溶けてゆく
喜びも、哀しみも
小さく分け合い、泣き笑う
ひとが景色に溶けてゆく
じぃちゃんも、ばぁちゃんも
まごも、ひまごも
飛んでゆけ
振り切った想いに
負けない速さで
晴れわたる恵みの空へ
ハイヤ ハイヤ
生きる力漲る
ハイヤイヤイヤ
良い子も、悪い子も
キレる子も、耐える子も
風はみんなをつれてゆく
何がチガウというのだろ
何がワカルというのだろ
美風はいつも等しく
海へ
高く