影
umineko
影が私だ
夏
私はようやく
私になれる
薄曇りの中で
私は埋没する
私はへらへらと笑っている
気づかれないように
夏
私はくっきりとあらわれる
私が背伸びする
と
肉体も背伸びする
そうだ
この感じ
薄曇りでは味わえない
あやつる
喜び
夜は
闇にまぎれて
私は肉体をうまく使えない
肉体は
勝手に寝転んだり
詩を書いたりしてる
私は
仕方ないので
夜
空に溶けて
あてもなく徘徊する
そのうち肉体は
私
眠ったり してる
抱き合ったとしても
影
私はずっとみている
私はここにいるのに
私はどこにもいない
私の肉体が
所在なさそうに揺れている
その姿が
夏草にどこか似ていて
誰かに
手折られますように
私は影