umineko

影が私だ


私はようやく
私になれる

薄曇りの中で
私は埋没する
私はへらへらと笑っている
気づかれないように


私はくっきりとあらわれる
私が背伸びする 

肉体も背伸びする
そうだ
この感じ
薄曇りでは味わえない
あやつる
喜び

夜は
闇にまぎれて
私は肉体をうまく使えない
肉体は
勝手に寝転んだり
詩を書いたりしてる
私は
仕方ないので

空に溶けて
あてもなく徘徊する
そのうち肉体は

眠ったり してる

抱き合ったとしても


私はずっとみている

私はここにいるのに
私はどこにもいない
私の肉体が
所在なさそうに揺れている
その姿が
夏草にどこか似ていて

誰かに
手折られますように

私は影
 
 
 


自由詩Copyright umineko 2006-08-02 08:20:38
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