あれや
神島 にな

あれや、
と、使いもしない関西弁で
独り言を言った。

あれや、あれや。
あれやになるよ。
あれ、を売る店をひらきます。
あれ、のトレンドを、
過去の情報から
綿密、かつ、
独自の視点で考察、予測し、
あれ、の製作にあたり
ファブリックを選定し、
あれ、の斬新なデザインを考え、
絵に描き、設計図を引き
あれ、の試作品第一号は
三好さんちの兄ちゃんの方の、
最近嫁いできた嫁さんにでも
あげるとして、
そんで
試行錯誤の末、
あれ、が出来上がり
わたしは
あれ、を多くの小売店に売り込むため
企画書をつくり
パワーポイントで
プレゼンテーションをし、
あれ、で
がっぽり
儲ける。

ここまでを
布団の中で
考えて、
とりあえず
人間に
飽きてしまった。


自由詩 あれや Copyright 神島 にな 2006-08-02 01:23:09
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