夏の宵に
朽木 裕

自分の存在意義を問う
存在価値を問う

答えは出る筈もなく
無理に出そうとしたならば答えは否

いつもいつもそうなのだ
純粋に手伝おうとしているのに
実際、蓋をあけてみれば足手纏いにしかならない

居ない方が事がスムーズに進むのではないか
そう思う

けれども私はいつもそこに居るのだ

色々な感情がひしめいて
また、いつもみたいに死にたくなって


そしたら君がいた

夏の宵にまぼろしみたいに


熱があるから来ちゃ駄目だよって云ったのに
心配で心配で涙が出てきて

自分が今、何で泣いているのか分からないくらい、泣いた

あぁ、そうか

熱をおしてまで手伝いにきた君に
私はなにも出来なくて


私は

なにも

出来なくて


どうしたら人並みになれるだろう
どうしたら普通に生きていてもよい?

考えても答えは否ばかり
足手纏いでも何も出来なくても生きてていいよね?

誰も私を殺しはしないのだ
言葉と心以外では


大丈夫だよ
いつも見てる俺が云うんだから信じていいよ

大丈夫


頭を撫でるてのひらがいつもより
少しだけ熱くて

また涙が出た

私、この人のために生きていたい


未詩・独白 夏の宵に Copyright 朽木 裕 2006-07-31 22:40:53
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