8、夜 【よる】
雨宮 之人

とある ひと幕を終えて
緞帳どんちょうが 下りてくる
黒のビロード
つやめいている

静寂
それだけが 音を鳴らす
幕間まくあいには
素敵な幻想を召し上がれ

笑わない道化師と
響かないオーケストラ
目蓋の裏側で 晩餐会を

音もなく 刻まれる時間
舞台裏 準備は進む
光の如く響く 開演のブザーに向かって


自由詩 8、夜 【よる】 Copyright 雨宮 之人 2006-07-30 22:12:51
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
字書きさんに100のお題