空っぽの僕を捨てたら
武富諒太

空っぽの僕を捨てたら
誰かがやってきて
僕のかわりに僕を生きてくれるのだろうか

2丁目のさんちゃんがやってきて
僕の顔で笑うんだろか

それとも
僕だったはずのモノは
さんちゃんの身体(からだ)になって笑うんだろか

空っぽの僕を捨てたら
隣り町のゆきちゃんがやってきて
そっと捨てられた僕を拾うんだろか

ゆきちゃんは家に持って帰って
そっと被ってみたりするんだろか

空っぽの僕を捨てたら
僕は何処(どこ)へ行くのだろうか
ただ
夕闇に溶けて
風に紛れてしまうのだろうか

空っぽの僕を捨てたら
僕は本当に空っぽになれる

空っぽの僕を捨てたら
本当に
空っぽに





自由詩 空っぽの僕を捨てたら Copyright 武富諒太 2006-07-30 21:34:41
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