ソノウエカラスより
加藤泰清

あすかはソノウエカラスにそっくりで
よくタニシのような人としのぎをけずってきょうそうする
「ああらこんにちわおくさんいかがなされたすじこかしら」
「ともだっちのべっそうでしきょなもんで」
しおのかぜがみさきから
かまいたちはにんげんのあたまのてっぺんから
ながれかけている
(よんだかいしのびのころももてんぷらあげあげ)
でんせんとでんちゅうのすきまでセミが
これはぼひょうである

ニンジンさまもあきれたようすで
/いーえすそれではかれにまたこのりょうりをあげてくれ/
だけどあすかのこえはまったくとどかない
くちからなんだかがながれだす
はみがきこはいまだよりをもどさず
そうめんもみかんをきらうようにさける
はじまったせんりつはごしんぼくをそぎおとしたときのおと
そばのかれはどうやらフクロウのしがいだ
てい/みじかいなあくらいなあそねみたいなああ
「とりあえずこのすだれをあすかにくださいな」
そのようによるはすぎていく
そらはこんじょうをとりもどす


自由詩 ソノウエカラスより Copyright 加藤泰清 2006-07-28 19:41:12
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