僕のハチドリ
昏(ヤッカ)


あのハチドリの夏を思い出してみる。
誰もいないブランコ。
懐かしいプールのにおい。
今にも切れそうなゴムとぜんまい。
偽造された空を
どこまでも飛んでいった
僕のハチドリ。

君はいつかひょっこりと戻って、
新しいキッチュなハミングをきかせてくれる。


「探してください。」って家出した
僕のグラスホッパー。
折り紙入れの中や
ぽっかりと空いた愛らしい土曜日
いつもの文房具屋なんかを探したけど
君は見つからなかった。
寂しがり屋のグラスホッパー。

僕がいつか見つけだして
濡れた体を乾かしてやって
君の冒険の話をずっときいてやる。


さよなら、さよなら
孤独な日々に染みこんでみる
さよなら、さよなら
空の絵を描くよ
僕は頭が悪いから
空を偽造することしかできない。
ハローきこえる?
だけど絶対あえるから
僕らは熱でつながってるから。


自由詩 僕のハチドリ Copyright 昏(ヤッカ) 2006-07-27 21:09:34
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