荒い風
atsuchan69

夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク

パステルカラーの朝が 
たなびく空に滲み、
潮の香りと膨らんだワンピース
裸足になったキミがひとり

貝殻をあつめては、
子どものように
神秘の残骸を数える
 キミは
無邪気に裾をぬらし
立ちあがり、また坐る

荒い風が吹くとき
 キミはひとり
景色もとばされて
それでも 生きなくちゃ
 
砂浜に
あてもなくつづいた
夜明けの足跡は、
い つ し か 消 え て

打寄せては かえす波に
 
 砂粒が
      ひとつぶ
            ひとつぶ

洗われるように
ついさっきまでの記憶は、
凪のあいまに 残骸となって

たった今、
 キミが
大切な何かを 
そっと にぎりしめて

吹きはじめた、風



自由詩 荒い風 Copyright atsuchan69 2006-07-25 20:41:40
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