夏に向けて
さき

さて
飽きるほどの恋からも遠ざかり
梅雨の間隙を縫う洗濯ばかりに
脳みそを支配されている私に
今のところ夏の予定はありません

貴方
先月結婚したそうでおめでとう
おかげさまを持ちましてわたくし
今月からめでたく精神不安定です
ジューンブライドですって
日本じゃその季節はカビの季節
うっとおしい貴方の記憶にぴったりね

夢の後遺症って結構きつくて
私は夢ばかりだから現実に疎くて
逃げることばかりが得意な右足
だけど左足は石だから
毎日がちぐはぐで
ほら
またあの人に笑われている

夏のビールは先行発売で
夏に向けてのダイエット用品もあらかた買い揃え
毎日風呂上りにビール飲みながらエクササイズって
呪われているわね
さようならしたいのは
思いだけではない
エクササイズではどうにもならない
重い自分

甘えないから甘えないで
ついでに嘘つきな私を許してください
結婚式の招待状
無神経さに憧れた
私の神経まだ死にません
夢であれば良いと
現実までも夢に変え
貴方に無実の罪を着せ
記憶の中で極悪非道の人にした


だから梅雨よりも夏
貴方の畏まった顔よりも
知らない人の焼けた笑顔を探しに行くの
洗濯物が終わったら虫篭持って
あの夏のサンダルとは違う
低いヒールのサンダル履いて
夢の後先とは違う現実

私の誕生日
そういや夏だったね






自由詩 夏に向けて Copyright さき 2006-07-23 00:47:08
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