一週間 ー木曜日ー
海月

明日の花火大会の知らせがコンビニの壁に貼られていた
家からそれほど遠くないけど行く気がしない
それは単純に仕事の疲れなのかな?
社会人という存在だからなのだろうか・・・

数年前の大学時代
君と見たのを最後に花火を遠ざけていた
他の色で重ねて消さない様にしていたのかも知れない
色褪せない思い出は暗闇に一途に光る星

僕の運命とは皮肉なもので明日は夜まで仕事
どうせ行く人なんてお前に居ないだろう
上司が愛想笑いの中で言った
上司でなければ僕は殴っていたに違いない
ただ、僕の傍にはそんな人はいないのは確かな事だった
哀しき社会人は花の咲かない秩序の中に埋もれる

君は私のことを覚えていますか?
数年前の約束を覚えていますか?
もう一度だけ花火に連れて行ってくれることを
今度はラムネを君がおごる番だからね

錆び付いたポストに一通の手紙

忘れかけていた初恋の人
セピア色の思い出
崩れかけていた約束

忘れていたけど今日もくようびを生きている


自由詩 一週間 ー木曜日ー Copyright 海月 2006-07-13 17:40:14
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
シリーズ